会長よりのメッセージ
2026年01月18日
災害に向き合うために 〜心の片隅に、災害のためのスペースを〜
1月6日に島根県にて発生した地震は、普段地震が少ないこの地域にとって大きな驚きであり、日頃からの備えを改めて喚起するものでした 。正直なところ、災害は実際に起きてからでないと危機意識が芽生えにくいものだと感じています。事実、避難訓練をはじめとする様々な準備は、未だ十分とは言えないのが現状です 。
年が明けてから、当地だけでなく全国各地で地震が頻発しています 。他人事ではなく「自分ごと」として感じてはいても、一週間も経てば「ああ、そんなこともあったな」と記憶が薄れてしまいがちです 。
士会として県内各地の被災情報を調査したところ、幸い大きな被害は見受けられず安堵いたしました 。それでも、人的被害はほぼなかったものの、建物に損傷が生じ、業務に支障をきたした会員施設が複数ありました 。
士会には災害支援対策委員会を設け、災害時の安否確認や施設状況の把握、平時からの教育活動や周知を行っています 。加えて、リハビリテーション職種で構成するJRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)島根支部の活動も、士会委員会と同様に推進しています 。全国各地の災害支援に積極的に取り組み、国をはじめとする行政機関や他領域の支援団体とも連携を図っています 。
こうした活動は随分前から継続していますが、十分に周知されているとは言い難いのが実情です 。なぜでしょうか。誰の身にも起こりうる災害であるにもかかわらず、どこか遠く離れた場所の出来事だと思ったり、自分には関係ないと考えたりしてしまうからかもしれません 。
危機意識は、経験しなければ生まれないとも言われます 。経験がないから想像ができず、実感が湧かない。そうかもしれません。しかし、起きてしまってから動き出すのでは遅いのだと、私たちは強く自覚しなければなりません 。私たちがなすべきことは、何よりも「伝え続けること」「周知し続けること」です 。それは危機を煽ることではありません。「自分ごと」として理解してもらうために、粘り強く発信し続けることが大事なのです 。反応が乏しくとも言い続ける。私たちはそういう意志を持った組織です。このことを、皆様に改めてお伝えしたいのです 。
本日は1月17日です。私事で恐縮ですが、私は兵庫県出身です 。今日という日は、兵庫県出身者にとって非常に大きな意味を持つ日です 。災害支援の本流はここから始まったと言っても過言ではありません 。しかし、時間の経過とともに関心は薄らぎ、いつしか「過去の出来事」として片付けられてしまうかもしれません 。災害を風化させないと言葉にするのは容易いですが、忘れないように心に留めるためには、伝え続けていくことが不可欠です 。兵庫を離れて随分経ちますが、私の心の中には、いつも1月17日の記憶が刻まれています 。
皆様にお願いしたいこと。それは、災害を「自分ごと」として考えていただきたいということです 。深く、重く考えてほしいわけではありません。心の片隅、あるいは頭の中のほんの少しのスペースに、常に置いておいていただきたいのです 。
理学療法士として、そして地域に生きる一員として、「自分ごと」として向き合っていただきたい。ただただ、そう願うばかりです 。
2026年1月17日
一般社団法人 島根県理学療法士会
会長 小川昌


