生涯学習制度について

日本理学療法士協会(以下、協会)は、理学療法士の資質の向上、専門分野における職能的水準の引き上げ、自発的な学習の継続を促すため、生涯学習制度を運用しています。

ここでは主に、生涯学習制度の概要と新人教育プログラムの内容について解説していきます。

 

1. 生涯学習部長からのメッセージ

生涯学習部長 藤丘政明 (島根県立中央病院)

 12年前、私が理学療法士として働きだした頃は、旧制度の新人教育プログラムであり、同期5人と一緒に毎年研修会に参加し、当時は必須であった学会発表まで経験しました。学会発表の準備は大変でしたが、先輩達が遅くまで指導してくださり、とてもかけがえのない経験となりました。認定理学療法士資格は、7年目の時に運動器を取りましたが、運動器分野の理学療法について、各分野のトップランナーの先生方から評価や介入のポイントについて教えていただき、とても勉強になりました。認定理学療法士資格を取得してからは、いろいろな「ご縁」をいただき、県学会で講師をしたり、査読をしたり、座長をしたりと幅広く活動する機会を得ることができ、成長することができたと思います。

 他にも様々な団体主催の研修会に参加してきましたが、協会の生涯学習制度を通じて学んできたことが、私が理学療法士として働いていく上での基本となる「型」になっていると思います。

 現制度では、症例発表は必須ではなくなりましたが、講義テーマの内容はさらに充実したように思います。皆さんも、ぜひこの生涯学習制度を活用して、理学療法士として「型」を作り、専門知識・技能を高め、島根県の皆様の健康な生活に貢献していきましょう! 

 

2. 生涯学習履修の流れ

生涯学習履修の流れ

 

3. 新人教育プログラムとは

 協会入会後、最短1年間のうちに指定された15単位(平成24年度以降入会で、大学・高度専門士養成校出身者は13単位)を取得します。
 単位については、各都道府県士会主催の研修会、または協会運営のe-learning、施設見学等で取得可能です。新人教育プログラムの単位を全て履修し、マイページより修了申請をすると、「新人教育プログラム修了証」が発行されます。修了日以降、認定・専門理学療法士申請に必要な生涯学習ポイントを取得できるようになります。新人教育プログラムが修了すると、専門分野の登録を行うことで、認定・専門理学療法士制度へ移行します。

(1)新人教育プログラムテーマ一覧(平成28年度版)

*退会された場合、取得した単位はリセットされます。

講座名 新テーマ 必須選択の別 修了要件
(単位数)
必須 選択
必須初期研修 A-1
理学療法と倫理
1   1
必須初期研修 A-2
協会組織と生涯学習システム
1   1
必須初期研修 A-3
リスクマネジメント
(安全管理と感染予防含む)
1   1
必須初期研修 A-4
人間関係および接遇
(労働衛生含む)
1   1
必須初期研修 A-5
理学療法における関連法規
(労働法含む)
1   1
理学療法の
基礎
B-1
一次救命処置と基本処置
  1 3
B-2
クリニカルリーズニング
  1
B-3
統計方法論 ※
  1
B-4
症例報告・発表の仕方 ※
  1
理学療法の
臨床
C-1
神経系疾患の理学療法
  1 4
C-2
運動系疾患の理学療法
  1
C-3
内部障害の理学療法
  1
C-4
高齢者の理学療法
  1
C-5
地域リハビリテーション
(生活環境支援含む)
  1
C-6
症例発表
  3
C-7
士会活動・社会貢献
  1
理学療法の
専門性
D-1
社会の中の理学療法
  1 2
D-2
生涯学習と理学療法の専門領域
  1
D-3
理学療法の研究方法論
(EBPT含む)
  1
D-4
理学療法士のための医学政策論
  1
理学療法における
人材の育成
E-1
臨床実習指導方法論
  1 1
E-2
コーチングとティーチング
(コミュニケーションスキル含む)
  1
E-3
国際社会と理学療法
  1
15

※平成24年度以降に協会に入会したもので、理学療法養成校において、学士または高度専門士取得者は免除(取得済扱い)。

(2)島根県理学療法士会新人教育プログラム修了率

2017年度 71.4% (2019年1月30日作成 協会資料より)
*全国7位、中国5県中1位 (全国平均 63.5%)

 

4. 新人教育プログラムの単位取得方法

(1)都道府県理学療法士会開催の研修会を受講する

各都道府県士会において、新人教育プログラムの研修会を開催しています。
島根県理学療法士会での履修モデルについては、下記のフローチャートをご参照ください。

 

【新人教育プログラム研修会 履修モデルフローチャート】

  • 新人教育プログラム研修会については、出雲市内もしくは松江市内で開催される研修会を連続で受講していただくと、C領域以外は修了するような開講テーマ設定としています。受講するテーマの順番は自由です。
  • 開催時期は、5月〜11月の間で、年4回開催予定です。
  • 開催案内については開催の2カ月前頃に県士会HPやメルマガ等でお知らせします。

【新人教育プログラム研修会 履修モデルフローチャート】

(2)e-learningで受講する

新人教育プログラムの講義をパソコンやスマートフォンから、e-learningで受講できます。
2020年度の予定は下表の通りです。

セミナーID 22089
コンテンツ名

新人教育プログラム
*2020年度に限り全会員対象

内容 A.必須初期研修
B.理学療法の基礎
D.理学療法の専門性
E.理学療法における人材育成
(合計16テーマ)
受講費 ¥8,800
(16テーマ視聴可能)
申込期間 2021年1月31日まで
視聴期間 2021年2月28日まで
備考 新人教育プログラムの単位が取得できます。修了に必要なテーマのみの受講で構いません。
動画の最後にある自己診断テストを終了したテーマについては、そのテーマ履修単位が付与されます。

※ 入会1年目(2020年度入会)の会員につきましては、新型コロナウイルスによる影響を鑑み、今年度のみの特例的措置として無料で受講できます。対象の方は【セミナーID:23536】となりますので、ご注意ください。

(3)新人教育プログラム施設見学で受講する

 協会の認定する臨床見学受入施設に行き、新人教育プログラムの臨床に関するテーマ(C-1~C-5)についての見学を行うことで、理学療法の実践を通した評価と治療や、患者さんの症状に対する客観的な評価と効果的なアプローチ方法について学び、臨床能力向上につなげることを目的としています。臨床見学受入施設となるためには、施設に認定理学療法士または専門理学療法士取得者がいることが条件になります。

 見学時間は1テーマ60分以上、半日程度となっておりますが、受入施設によって異なります。
1日最大5テーマまで見学可能です。ただし、受入施設によっては1日に5テーマの見学を行っていない場合がありますので、見学を行う施設にご確認ください。

  1. 新プロ単位が履修可能なテーマ

    C-1  神経系疾患の理学療法
    C-2  運動器疾患の理学療法
    C-3  内部障害の理学療法
    C-4  高齢者の理学療法
    C-5  地域リハビリテーション(生活環境支援含む)  


  2. 島根県の新人教育プログラム臨床見学受入施設 (2019年度)

    ・島根県立中央病院
    ・島根大学医学部附属病院
    ・JCHO玉造病院
    ・松江赤十字病院

    臨床見学希望者は、「臨床見学に行く方へ」を参照してください
    施設見学を受け入れる施設の方は、「施設見学を受け入れる施設の方へ」を参照してください


  3. 新人教育プログラム「C-6 症例発表」単位認定手続きについて

    C-6 症例発表(3 単位)の単位は、「全国学会・ブロック学会・都道府県士会および専門領域部会が認めるもの」における発表を認定することになっています。島根県理学療法士会主催では、教育部主催の新人症例検討会や県学会などでの症例発表が該当します。協会や県士会主催研修会での発表については、単位認定にあたり手続きは不要です。

    ご不明な点等ございましたら、以下の問い合わせ先にご連絡下さい。


    一般社団法人 島根県理学療法士会 生涯学習部
    E-mail:shimanept_shougai☆yahoo.co.jp( ☆を@へ変更する。携帯キャリアメールでの問い合わせ不可 )

 

5. 新人教育プログラムの修了申請の手順について

日本理学療法士協会ホームページのマイページ上で終了申請を行います。

詳細は日本理学療法士協会ホームページでご確認ください。

 

 

6. 認定・専門理学療法士とは

 新人教育プログラム修了者を対象に、自らの専門性を高め、良質なサービスを提供する臨床能力を備え、理学療法の学問的発展に寄与する研究能力を高めていくことを目的としています。

 新人教育プログラム修了者は、7分野(基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法、内部障害理学療法、生活環境支援理学療法、物理療法、教育・管理理学療法)のいずれかひとつ以上の分野に登録し、認定理学療法士、専門理学療法士を目指します。

*制度の詳細は、リンクをご参照ください。

また、協会ホームページマイページ内の会員専用コンテンツでも制度の詳細についてご確認いただけます。

▽島根県内の認定・専門理学療法士

専門理学療法士3名、認定理学療法士75名が活躍しています(実人数、2019年7月1日時点)。

認定理学療法士からのメッセージ

黒崎智之  松江市立病院

私は、脳卒中分野に興味があり、また脳卒中と関連し、リスク管理にも重要となる循環器分野の知識も深めたいと思い、脳卒中と循環領域の両分野での認定理学療法士の資格を取得しようと思いました。

認定理学療法士以外にも専門資格を保有していますが、それらの試験を受ける度に、試験を受けることは知識を深める近道となり、日頃ついつい蔑ろにしがちな知識(そのような知識程、実は重要だったりしますが)は、試験を受けるでもしなければ定着しないということを感じています。また、自分の知識を更新することも疎かになりがちですが、資格更新のためのステップがその良い機会となっています。

認定理学療法士の取得は、知識を深め、更新することに役立ちます。また、「自分は認定された理学療法士である」という自負が、更に見識を深めさせてくれます。是非皆さんも認定理学療法士の取得に向けてがんばって下さい。

 


 

認定理学療法士からのメッセージ

認定理学療法士の取得は少しだけ大変ですが、その分野のより専門的な知識が得られる、自信が付く事で仕事のモチベーションが上がる、認定理学療法士の間での交流が持てるなどの多くのメリットがあります!

私は大学病院で勤務しているため、重複障害を持つ患者さんの診療に貢献したいと思い複数領域での認定を取得しました。

得られた知識は臨床で非常に役立っており、資格を取得して良かったと感じています。

 

 

7. 新生涯学習制度について

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止に伴う各種研修会事業等の開催中止および延期により、2021年4月から開始予定であった新生涯学習制度の開始時期を1年延期し、2022年4月からの運用開始に変更となりました。

(1)なぜ、新生涯学習制度が必要なのか?

 「理学療法士」という仕事が生まれてから50年以上が経過し、その間に人々の生活や社会環境は大きく変化しました。協会では、多様化するニーズに応えうる理学療法士を育成していくため、この度、生涯学習制度をリニューアルすることといたしました。

(2)新生涯学習制度の概要

 今まで以上に、国民に対して理学療法士という専門職の質を保証するために、「5年ごとの更新制」を取り入れることで、生涯にわたり知識・技術の維持・向上が可能となる制度設計を行いました。

 本会へ入会した理学療法士は、まず「前期研修」を履修します。その次に「後期研修」を履修することで「登録理学療法士」となります。「登録理学療法士」となった本会会員は、5年ごとの更新を目安に自己研鑽を続けます。


詳細は、日本理学療法士協会ホームページマイページ内の会員専用コンテンツ 新生涯学習制度をご参照ください。